NPO法人BLACKSOX 理事長 西野耕太郎です。
BLACKSOXの名前は
「全ての人の靴下が真っ黒になるまでテニスを楽しんでもらう」
との思いから名付けました。
【全ての人】とは子ども達・障がい児者・お年寄り・海外の方・大人など
地域社会を構成する全ての人です。
決して障がい者スポーツのためだけの団体ではありません。
BLACKSOXのミッション
・ テニスにより、全ての人の運動・交流・感動・笑顔を創りだします
・ テニスがうまくて、強い、思いやりのある【かっこいい】子ども達を育てます
・ 永続的な社会企業として雇用を生み出し、社会参加・生きがいをすべての人と分かち合います
BLACKSOXは毎年、秋に【横浜国際バリアフリーテニス大会】を開催しています。
以前の大会の時に起こった話しです。
大会会場の清水ヶ丘公園体育館は駅から遠く、とても歩けません。
そのため横浜駅で障がいのある方々と待ち合わせをし、
ボランティアの方々の車に乗って会場まで行く、としました。
一人を残して、時間前にみな集まって来ました。
その残り一人の人から電話がかかりました。
「市営地下鉄の改札を出たけど、待ち合わせの一階の場所までの行き方がわからない」と。
西野もそこへ迎えに行きたいのだが土地鑑がないので、「改札に戻り、そこで待ってて」と伝えました。
不安になったのか、しきりに「わからない」と電話が来ます。
それでも改札に着いたらしく、「改札へ着いた」と電話が来ました。
駅員がそばにいるらしいので、場所をはっきり聞くために「電話を代わってもらって」と何度も伝えたのですが、その駅員は代わってくれません。
そして、「待ち合わせ場所まで送ってくれるらしいから大丈夫」と。
少ししてまた電話がありました。
「その駅員がいなくなった」と。「今、自分がどこにいるかわからない」と。
秋とは言ってもまだ暑い時期でした。
まだお店も開いてなく、人影もなく、冷房も入っておらず、とても暑い地下街でした。
走り回りやっと見つけました。その人は暑さでフラフラとしてました。
手には駅員に渡された、何度もコピーされ字がかすれ、僕でもよく読めない小さい地図の紙を持ってました。
それを渡して横浜市市営地下鉄の駅員は、その明らかに障がいがあるとわかる人をほったらかしたようです。
みんなの待っている大会会場へ、15分ほど遅れ着きました。
そして、大会責任者である西野が遅れたことを謝り、何があったかを話しました。
「と、いうことがありました。
みんなが思ってもみないようなことが、障がいのある人には起こります。
だから、僕たちは少しの間だけでもテニスで楽しんでもらい、嫌なことを忘れてもらうんだ。」
それを聞いていたボランティアで来てくれていた男の子が涙ぐんでました。
その横浜市市営地下鉄の駅員は、もう人として変わらないでしょう。
でも、その涙ぐんでいた男の子はどうでしょう?
弱い子をいじめたりしない子になるでしょうか?
困っている人を見捨てるような人間ならないでしょうか?
西野にはわかりません。
僕たちBLACKSOXは、子ども達と障がいのある方々が一緒にテニスをする機会をたくさん作ります。
最初はただ一緒に並んでるだけ。
そして、様子を見て手を持ってもらったり、ボールを投げてもらったり。
そのうちに打ち合いの相手に。
その頃にはきっとその子は赤いシャツを着ているでしょう。
僕たちの大事なミッション
・ テニスがうまくて、強い、思いやりのある【かっこいい】子ども達を育てます
その子がテニスプレイヤーとして日本中・世界を飛び回り、
各地でテニスの素晴らしさを広めてくれると、僕たちはとても嬉しい!!!
『何故、BLACKSOXは子ども達と障がい児者をテニスでつなぐのか?』
以上です。